はじめに
今回はリクエストをいただいたテーマということで
「座標・トータルステーションを使って構造物の測量をする!!!」を解説していきたいと思います(^^♪
まぁいわゆる「トラバース測量・多角測量」のお話です^^
今は「建設Dx」や「ICT活用のGNSS測量」が花形ですが
全国の中小建設会社さんの多くは
まだまだトータルステーションを使用したトラバース測量が主流と考えています
そこで今回は
座標の準備から現場での測量とその他まで5つのテーマにわけて解説していきます!
お話の前提として
元請の建設会社に勤めるの若手職員さんを想定しています
また現場は、一般的な道路工事で橋台工の築造を想定しています
「座標・トータルステーションを使って構造物の測量をする!!!」
- 準備編_現場
- 準備編_現場事務所
- 実践編_測量をする
- 実践編_測量後の確認
- その他
以上の5つのテーマにわけて解説していきます!
ぼくの個人的見解がはいってくるかもですが(;^ω^)
最後まで見ていただければ嬉しいです!
今回も見て学んでいってください!!
いやいやまってください
トータルステーションを使った測量方法は今後無くなっていくのでは?
良い質問ですね!
回答ですが
あくまでもぼく個人の意見ですが
将来的にはGNSSや他の技術を使った測量にとって変わる可能性が高いと考えています
でも
この座標・TSの測量方法は土木技術者の基本なので
将来テクノロジーが進化して新たな測量技術と方法がきても
座標・TSで学ぶスキルと知識は決して無駄になりません!
逆にそのスキル・知識がないと将来、新しいテクノロジーを使う際
トラブル発生に対応できない土木技術者になってしまいます
なので将来のためにも今回の動画で学んでスキルを積み上げる
きっかけにしてもらえれば嬉しいです
座標・トータルステーションを使って構造物の測量をする!!!
では①~⑤の順番に解説していきます♪
①準備編_現場
まず「①準備編_現場」からお話していきますね!
結論からですが
基準点と構造物との位置関係を確認する「見通せるか」ということになります!
この理由は
TSで測量する場合、直接見えることが必須だからですね^^
まずお話する状況から説明すると下↓の条件になりますね
- 基準点_器械点:TSを据え付ける点
- 基準点_後視する点:TSのターゲットを据え付ける点
- 視準点:目標の構造物
この状況での注意する点をあげていくと
・見通せるか?
これは
さきほど3つの条件を紹介しましたが実際の現場で
この3つを使って測量する際
途中に障害物がなく見通しがきくか?
を事前に確認しましょう!
よくあるのが先行施工した構造物が邪魔をして見通しがきかない、、、
ようは「見えない」ってことがよくあります
・見通せない場合は?
では見通せない場合はどうするのか?
その場合は「任意点(新点)」を測量してつくりましょう!
いやいやまってくださいよ!
任意点ってどうやって選ぶんですか?
なるほど!
では質問に回答すると
選び方としては
任意点(新点)から最初の3点がすべて見える場所を選びましょう!
任意点設置の測量誤差をなくしつつ
ヒューマンエラーを防止するためですね♪
追加ですが任意点設置位置は作業の邪魔にならないことも考慮しましょう
たとえば重機やダンプトラックの走路からは外しておきましょう
上記のことを注意しつつ任意点を測量して設置しましょう
②準備編_現場事務所
では2つ目の「②準備編_現場事務所」についてお話していきましょう!
結論からですが
目標構造物の座標計算をしようっになります!
理由は
①の項目ではお話したように
現場状況が把握できたので座標計算ができる
って順番で作業をすすめていけるのです!
具体例にここでは「基準点」「任意点」「視準点」の順にお話していきます!
基準点
まず基準点とは
着工前に自社または測量屋さんが測量した工事の基準となる点のこと
という意味になります
この点の根拠となる座標は
概ね国土地理院が設定している2級基準点や3級基準点などから測量してくることがほとんどです
参考として下記に国土地理院URLをはっておきますので
また時間あるときにみてください(^^♪
https://sokuseikagis1.gsi.go.jp/top.html
この↑中の基準点から今回使用する座標値を選ぶってイメージになります!
任意点
つぎに任意点ですが
これは「①準備編_現場」で解説した今回用の新点(任意点)の意味になります!
視準点
さいごに「視準点」ですが
これは
「目標構造物の座標値」になります!
メインの項目ですね(^^♪
今回は道路工事の橋台工を施工する想定してお話します!
通常、橋台工は四角形なので角の4点を図面より計算しましょう♪
工事によっては設計時に角の4点が計算済みの場合もありますね(;^ω^)
角の4点は下記図面の記載事項から引用していきます!
- 平面図
- 横断図
- 縦断図
- 橋梁詳細図
- 道路CL_線形計算書
以上図面と計算書を根拠として算出しましょう!!!
いやいやまってくださいよ!
CADから算出すればよいのでは?
なるほどやっぱりそうきますか?(笑)
ぼくの回答ですが
ぼくはおススメしません!!!
CADを使うのは先ほどの計算が終了して
最後の確認としてCADを使うのはOKです♪
もしCADに間違いがあった場合、どうなるかはわかりますよね?
ぼくは怖くてできませんw
まあ今からの時代はCIMがもっと広まってきて
考えてかたが変化すると思います
今回お話している内容を踏まえるとNGがぼくの回答です!!!
③実践編_測量をする
では3つ目の「③実践編_測量をする」のお話をしましょう!
ここでも結論からですが
現場事務所での計算結果をもとに現場で測量するっになります!
理由ですが
はっきり言って(笑) ここまできたら測量の2/3は終わっています!!!
現場事務所での準備段取りまでが7~8割です(^^♪
きっちりと準備ができていれば
ここでは黙々と通常のトラバース測量をするだけです♪
なにもビビる必要はありません(笑)
測量
実際の測量は下記↓の順に据付て測量するのみ!
- 任意点(新点)_器械点:TSを据え付ける点
- 基準点1_後視する点:TSのターゲットを据え付ける点
- 基準点2_後視する点:当初TSを設置するつもりだった点
- 視準点:目標の構造物
1つ補足ですが、「基準点2」の当初TSを設置するつもりだった点については後視しなくてもOKです!
確認の意味で視準する程度で精度の問題はクリアできます!
④実践編_測量後の確認
つぎに4つめに「④実践編_測量後の確認」についてお話します!
ぼく個人の意見ですが
ここが一番大事ですね!!!
結論からですが
いまおこなった測量が間違っていないか確認するってことになります!
理由は
いくら準備しても自信があっても人間はミスをモノだからですね(=_=)
なので
そのミスの回数を減らす工夫が必要になってきます!!!
その工夫の1つについて
具体例をあげてお話します♪
工夫する結論ですが
別の基準点から測量する
①②③でいろいろ座標計算して測量してきましたが
ここで使用した基準点、任意点とはまったく別の点(座標)から
目標構造物の4つ角を測量して間違い及び誤差がないか確認するってやり方です!
この工夫を選んだ理由は
1つの方法や方向からの計算、測量では間違いに気づきにくいからってことになります!!!
もっと掘り下げて具体的な方法をお話します
①②③の計算、測量を構造物からみて東側からしていたと想定すると
「今度は西側から測量」する感じでOKです
作業を省力化する観点から
基準点の1つは最初に計算した中から選んでもOKですね
もっと噛み砕くと
3点中1点は最初の測量の点、あとの2点は別の点
という感じになりますね!
実際に
同じ事を2度するのでかなり面倒です、、、、
なので最初から2パターン計算しておくことを
おススメします(^^♪
多様な視点からの確認、めっちゃ大事です!
⑤その他
さいごに「⑤その他」についてお話しますが
ここはほんとうに
「雑談」(笑)
なんで
しっかり勉強したい方は飛ばしてください(;^ω^)
ではぼくにお付き合いしていただける方におはなしします(^^♪
①:後方交会法
今回、お話したトラバース測量の方法は
TSを「点」に据え付ける方法を想定しています♪
これとは別の方法として
「後方交会法」
というのもあります♪
この方法をざっくり説明すると
未知点を器械点にして(TSを据える)
既知点が2点視準すると測量がスタートできる
って方法です♪
非常に便利なんですが^^
制約条件があり
精度的な面からも
ぼくは今回のような構造物の測量にはつかっていません(=_=)
でも
1cm単位の誤差を許容する測量ではめっちゃ使いやすいです♪
つまり適材適所で測量方法を使い分けるっていうのがベストですね!!!
②:即利用くん
つぎに即利用くんのお話です!
ヤマヨ測定機さんから発売されている座標計算等に特化した関数電卓です♪
即利用くん5800シリーズ
即利用くんのURLを下記↓にはりつけておきます(^^♪
https://www.yamayo.co.jp/catalogue/products/6001s5800.htm
ぼくが新入社員だった25年ほど前からある関数電卓ですが
めっちゃくちゃお世話になりましたm(__)m
最近は全然使っていませんがもってはいます(^^♪
パソコン、デキスパートさんのソフトなど
現代の機器とソフトがめっちゃ良いので
そちらでスキルアップをするほうが早道ですが
即利用君で座標計算できるようになるには
アタマの中で3次元的に現場イメージできていないと
なかなか計算できないので
スキルアップ視点であれば現代でも活用できると思います!
まぁここは余談程度にみておいてください^^
おわりに
今回は
「座標・トータルステーションを使って構造物の測量をする!!!」
を解説してきました!
いまの時代
どんどん新しいテクノロジーがでてきますが
土木において「座標」の概念は基本中の基本になります!
焦らずに実際の現場で使いこなしていける一条になれば嬉しいです(^^♪
ではまた次回のブログでお会いしましょう♪
ではでは