はじめに
今回は
「型枠支保工の計算方法」
について解説していきます^^
土木工事で
主にボックスカルバートを
施工する際に必要になる計算になりますね
参考の写真はこちら↓
最近は二次製品のボックスカルバートが
増えてきましたが
現場打ちのボックスカルバートも
まだまだ見かけますね
そこで今回の解説なんですが
このボックスカルバートを
施工する際に必要な
型枠支保工の計算方法
を解説していきます^^
本題の前に補足ですが、
型枠支保工の支柱が3.5m以上になると
労働基準監督署に届け出が必要
になります
その労働基準監督署に
提出する設定で解説していきます
いやいやまってくださいよ
型枠支保工の計算って
材料リース会社
でやってもらいますよ
なるほどっ!
まぁそこで
ブログを読むメリットなんですが
リース会社で計算してもらう
っていうのも1つの正解なんですが
土木技術者として
構造計算を理解することは重要
ですよ^^
なにより
構造計算の基本
が学べますからね
また自分で計算を理解すると
例えば生コン打設時の
荷重(負荷)がかかった際
どの部分が構造上の弱点
になっているか
自分が理解できているので
予防対策や準備ができますので
万全の安全対策にもなりますね♪
以上を踏まえて
詳細テーマは2つ
- 型枠支保工の概要編
- 型枠支保工 個々の計算編
以上を解説していきますね!
土木技術者目線で
支柱高が3.5m以上の労働基準監督署へ
届け出を提出する想定で
解説にしていきます♪
型枠支保工の概要編
ではまず
「型枠支保工の概要編」
から解説していきますね
サンプルの
ボックスカルバートはこちら↓
サンプルの構造は
- 支柱高が5.0m
- スラブ厚が60cm
以上の条件で
すすめていきます
用語の説明
まず「用語の説明」です
サンプルの図面と写真を
3枚連続で見ていただくと↓
つぎに
上から順番に
用語(材料)を解説すると
「合板」: 厚み12mm いわゆる型枠材
「根太材」:□-60×60 いわゆる鋼管
「大引材」:□-100×100 いわゆる鋼管
「大引受けジャッキ」:~支柱へ続く
以上になります
概要書を労働基準監督署へ提出する
つぎに
「概要書を労働基準監督署へ提出する」
ですが
そのサンプルがこちら↓
↑この
「青色」でハッチングした部分を
次のテーマで掘り下げていきますね
型枠支保工の計算についての概要
つぎに
「型枠支保工の計算についての概要」
ですが
誤解を恐れずに簡単に言うと
支柱1本が受け持つ範囲(面積)を決めて
その支柱にかかってくる加重(負荷)を計算すること
ということになります
その計算は
「垂直方向」と「水平方向」
の2種類って事になります
このように
細分化して噛み砕いて考えると
理解しやすく頭にすっと入ってくる
と思います
型枠支保工 個々の計算編
ここからが本題の
「型枠支保工 個々の計算編」
に進んでいきます
例題を交えた深堀りの解説ですね
条件及び許容値
まず計算に使用する
「条件及び許容値」ですが
サンプルがこちら↓
これは
使用する部材1つ1つの
許容値(どれぐらいの過重に耐えれるか?)
を有しているか?
ということを表しています
スラブ荷重の算出
つぎに
「スラブ荷重の算出」
サンプルがこちら↓
これは
1m2あたりのスラブ重量を算出し
その重量に作業荷重と衝撃荷重
を足し算します
今回でいうと
「17.5kN/m2」
の過重がかかる計算結果になります
せき板の検討
つぎに
「せき板の検討」
にいきます
ここから少し構造計算らしくなります
サンプルがこちら↓
曲げモーメントとか
出てきて
ちょっとややこしくなりますが
お付き合いください(=_=)
この計算は↑
「単純梁」の計算になります
支点Aと支点Bで支えらえている
あいだの部分が壊れないかを計算
しています
求める計算内容は2つあります
1つ目は「曲げ」:この計算は、言葉どおり曲がって折れないかを計算しています
2つ目は「たわみ」:この計算は、水平のモノが荷重(重さ)で下にどの程度変形するかを計算しています
今回の計算結果は
曲げ「829N/cm2」
たわみ「0.24cm」
で
両方ともに
許容値内でOK
の計算結果となっています
根太材の検討
つぎは
「根太材の検討」
にいきます
サンプルがこちら↓
ここの計算は
上記のせき板の検討に
「せん断力」
も追加されます
せん断力とは
:上下から荷重をかけて
モノを上下にずらすように作用させるチカラ
になります
ちなみにせん断力を応用した技術が
「ハサミ」になります
ではなぜ根太材の検討から
「せん断力」
が追加されるのか
理由は
せき板は、部材全体で荷重を受け止めています
根太材は、1本1本が細く等間隔で設置していくため、
根太材に対して直角方向に「せん断力」が発生するから
という理由です
根太材を設置したところの
写真サンプルがこちら↓
今回の計算結果は
せん断力「1,237N/cm2」
曲げ「10,011N/cm2」
たわみ「0.25cm」
となり3つともに
許容値内でOK
の計算結果となっています
大引材の検討
つぎに
「大引材の検討」
にいきます
サンプルがこちら↓
この大引材の計算内容及び考え方は
上記の根太材の検討と同じですので
割愛しますね(;^ω^)
支柱の検討
つぎに
「支柱の検討」
にいきます、サンプルがこちら↓
ここの計算は
支柱1本にかかる荷重を計算します
今回は支柱の配置を
縦1.2m×横1.2mと仮定した条件
で計算しています
計算した荷重と支柱に使用する部材の
許容値を足し算した結果と比較します
許容値内であれば
型枠支保工の計算は終了になります
今回は
「25.200kN/本」 となり
許容値内でOK
の計算結果となります
結果のまとめ「概要書」
さいごに
「結果のまとめ 概要書」
にいきます
最初に見ていただいた概要書がこちら↓
上記より一緒に計算してきた内容が
「1.垂直荷重」の項に該当します」
この垂直荷重を踏まえて
次に
「2.水平荷重」
を計算します
「1.垂直荷重」の項で計算した
設計荷重(17.5)を使用します
この設計荷重に負担面積と
5%を掛け算した数値が水平荷重
になります
水平荷重が
補強材(通常は筋交)の許容値内
であればOKとなります
(今回:許容値内でOK)
おわりに
今日は
「型枠支保工の計算方法」
について解説してきました
例題を用いて解説しましたが
少し難しいところもあったかと思います(;^ω^)
しかし土木技術者として
この計算を自分で理解して出来るようになれば
1つステップアップできるのも事実です
リース会社さんの計算に頼り切るのではなく
是非自分でも計算できるように
勉強してみてください
ぜひみなさんからの
「計算できるようになりました」
のコメントお待ちしております^^
ではまた次回のブログでお会いしましょう♪
ではでは