はじめに
こんかいは、「生コン・品質管理の基本と実践」を解説していきたいと思います(^^♪
土木工事では必ずといっていいほど使用する生コンクリート!
今回はこの生コンクリートの品質管理に焦点をあてて基本的な知識と実際の現場で注意するポイントを解説していきます
今回のブログを一番読んでほしいかたは、建設会社に入社して3年目までの方や建設会社に転職されたばかりの方になっています
まぁそれ以外の生コンの品質管理に悩んでいる方も読んでいただければ嬉しいです^^
さっそくテーマですが「生コン・品質管理の基本と実践」を6つにわけて解説します
①そもそも生コンってなにですか?
②書類 – 材料承認願をチェックするときは。。。
③施工計画時に注意することは?
④現場 - 受け入れ検査
⑤生コン打設の時に注意することは?
⑥寒中コン・暑中コンってなにですか?
以上、6つのテーマにわけて解説していきます
ちょっと長いですがお付き合いください(^^♪
いやいやまってくださいよっ!
生コンクリートの話であればもっと材料のことから解説すべきではないでしょうか?
なるほどっ!
そこでぼくの考えですが
生コンクリートを材料や素材として見ればそうかもしれませんね
でも現場でかんばる技術者にはそこまで掘り下げるよりも
もっと身近で注意すべき点がたくさんあるんですよね
なので今回解説する内容は、実際の現場で注意して
対応すべきことにフォーカスしていますのでご容赦ください(;^ω^)
今回の基本内容の知識をマスターしたあとに時間に余裕があれば材料等の勉強もすればOKと考えていますね^^
①そもそも生コンってなにですか?
では「①そもそも生コンってなにですか?」から解説していきますね(^^♪
結論からですが、「まだ固まらないコンクリートのこと」になります
何言ってるかわからない人( ;∀;)もいると思うので説明すると
アジテーター車または生コン車に積まれて運べる状態のこと
すなわちドロドロ状態のコンクリートを生コンクリートといいます
逆に固まった状態のコンクリートは、皆さんが良く見ている出来上がった「構造物」状態のことですね(^^♪
つぎに
生コンの材料は「セメント・水・粗骨材(砕石)・細骨材(砂)」以上の4種類の材料を練り混ぜたものになります
すこしは余談になりますが
なぜ土木は高炉セメントをよくつかうのか?
わかりますかね?
こたえを言いますと
土木工事って公共工事が多数派と思います
公共工事は循環型社会を目的にしてリサイクルを推進しています
そのため副産物の高炉スラグを主材料としたBB(高炉セメント)を積極的に再利用を進めています
またBBは、N(普通セメント)と比較して化学抵抗性に優れているため公共構造物として長寿命化にも貢献できます
さいごにBBは単純に経済性の比較において安価、ようは安いんですよね
以上のように
BBはメリットがあるため土木工事ではよく採用されていますね♪
②書類 – 材料承認願をチェックするときは。。。
つぎは「②書類_材料承認願をチェックするときは。。。」を解説しますね(^^♪
まず結論からですが、材料承認願をチェックするときは
水セメント比をチェック
してください!
理由としては土木構造物では
- 鉄筋コンクリートは「55%以内」
- 無筋コンクリートは「60%以内」
にしなければならないと定められています^^
参考例として国交省の土木工事共通仕様書には
上記↑のように記載されていますね^^
いやいやまってくださいよ
そもそも水セメント比ってなんですの?
よく聞いてくれました(笑)
まぁそこでぼくの回答ですが
水セメント比とは、誤解を恐れずに言うと水とセメントの配合する比率のことです
「W/C」×100分率
の式で表現します
ざっくりとした話ですが
水が多いとスランプが大きくなり、強度が低下
セメントが多いとスランプが小さくなり強度が増し
まぁなんというか、あたりまえの現象が起こりますね( ;∀;)
この比率が公共工事では仕様書に記載されているので守らないといけません!
③施工計画時に注意することは?
つぎに「③施工計画時に注意することは?」を解説していきます(^^♪
まず結論からですが
生コンの時間管理・運搬
これが一番重要とぼくは考えています^^
理由は、「生コンは生モノなので時間管理がポイント」だからです
例えば基本ルールとして、練り混ぜ開始から打込み完了まで
- 外気温が25度超える場合は「1.5時間以内」
- 外気温が25度以下の場合は「2時間以内」
というルールが厳格に決められています
生コンを管理する上で「〇〇時間以内」ってキーワードがよく出てくるんですよね( ;∀;)
それぐらいめっちゃ「デリケートなんや」と思ってもらえればOKです^^
いやいやまってくださいよ
そんなことはわかってるのでもう少し掘り下げてほしいですわっ!
なるほどっ!
ではもう少し掘り下げると
生コンの時間管理のポイントは2つあります
- 生コンプラントまでの距離
- 生コン車の待機場所
まずこの時間管理の前提として
練り混ぜ開始から打込み完了までの時間にはもちろんですがすべての時間がカウントされます
まぁあたりまえですけどね( ;∀;)
そこで①ですが、単純に現場から距離が近い生コンプラントを選ぶようにしてください
特に都市部の現場では渋滞は必須です
時間管理の中に渋滞を考慮する必要があるので現場から近いプラントがよいってことになります
また生コン車の待機場所も大事ですね
生コンは連続的に打設していきますが、生コン車が途中で途切れてしまうと「コールドジョイント」の発生懸念が出てきます(=_=)
コールドジョイントとは、この「筋」みたいに横方向へ伸びている箇所をいいます
この状態は、品質の観点でよくないと判断されてしまします(=_=)
こうならないように生コン車の待機場所を計画して
生コン車が途切れないような工夫をすることでコールドジョイントを防止しましょう^^
④現場 - 受け入れ検査
つぎに「④現場 _ 受け入れ検査」の解説をしていきましょう(^^♪
まず結論からですが主な受け入れ検査は下記↓4種類になります
- スランプ
- 空気量
- 塩分
- コンクリート温度・外気温
なぜこのような検査をしなければならないのかというと
先ほどから何度も言っていますが、生コンクリートは生モノだからですね!!!
なので工場から出荷→運搬の途中で品質が変化している可能性があります
そこで現場に入場してきて「荷下ろし時点」において受け入れ検査が求められているのです^^
この4つの検査についてそれぞれの検査目的は下記↓のとおりになります
- スランプ試験:流動性を確認する試験、ようはどれぐらい柔らかいか?
- 空気量試験:生コンの中にどの程度、空気を含んでいるか?
- 塩化物含有量試験(塩分):生コンの中にどの程度、塩分を含んでいるか?
- コンクリート温度及び外気温:生コン受け入れ時の温度と気温を記録する
まぁ他にも単位水量試験などもあるのですが
基本としてはこの4つを理解しておいてほしいですね(^^♪
⑤生コン打設の時に注意することは?
つぎは「⑤生コン打設の時に注意することは?」を解説していきますね(^^♪
生コン打設に注意することは色々ありすぎますので下記↓の2点に絞ってみました(;^ω^)
- 打設方法の注意するポイント
- 壁の場合は打設速度に注意
この2点を順番に解説していきます
打設方法の注意するポイント
打設方法のポイントは
- 吐出口からの自由落下できある高さはh=1.5m以内!
- 1層の打設高さは40~50cm以内!
- バイブレーターのかける位置は50cm間隔!
壁の場合は打設速度に注意
躯体である「壁コンクリート」を打設する際は、
打設速度(打設スピード)が速いと「側圧」が大きくなり型枠のハラミ、最悪は崩壊につながる恐れがあるんですよね(=_=)
(「打設速度が速い」を意味を別の言い方で言うと、打ちあがり速度がはやい)
このあたりの計算方法は型枠支保工にも通じる計算になりますね
興味ある方は一度調べてみてください
生コン打設の時に注意することを2つに絞って解説しましたが
ここでのポイントもやっぱり「生コンクリート」はめっちゃデリケートなので丁寧に扱ってねということなんですよね(;^ω^)
生コンは練り混ざった状態なので「雑」に扱うと分離してしまうので品質が一気に低下してしまうのでイメージはちょっとづつ手の届く範囲でコツコツ打設していく感じですね♪
いやいやまってくださいよ
生コン打設した後も大事ではないでしょうか?
よし質問ですね^^
ぼくの回答ですが
生コン打設後に大事なことは2つあるんですが
1つめの「養生」について次のテーマで解説しますね(^^♪
2つめが「レイタンス処理」ですね!!!
「レイタンス」そのものの意味の解説は今回は割愛しますね(;^ω^)
この「レイタンス」はコンクリートを打継ぐ際には必ず除去することが求められますね!
「レイタンス処理」のポイントは、粗骨材が目視できるまで除去するのがポイントになります
単純に「粗骨材」が見えたらOKですね(^^♪
⑥寒中コン・暑中コンってなにですか?
最後のテーマは「⑥寒中コンクリート・暑中コンクリートってなんですか?」の解説をしていきますね(^^♪
結論から言いますと「コンクリート打設日の日平均気温で施工方法が変化したり工夫が必要」になってくるってことになります(^^♪
理由としては、これも何度も言っていますが生コンクリートは非常にデリケートなので気温の影響を受けやすいんですよね
そこである一定条件下では対策や工夫がいるようになってくるのです
その条件を下記↓にまとめますと
寒中コンクリート
日平均気温が4度以下になることが予想される場合は、寒中コンクリートとして施工しないといけない
理由と注意点は
- 生コンは一度でも凍結してしまうと強度や耐久性が発揮されない
- 生コン打設時のコンクリート温度は「5度以上」を確保する
- 寒さ対策を行って施工する
- コンクリート配合を冬季配合に変更(AEコンクリート)
- コンクリート養生中の温度は「5度以上」を確保する
以上が主だった理由と注意点になっています
暑中コンクリート
日平均気温が25度を超えることが予想される場合は暑中コンクリートとして施工しないといけない
理由と注意点は
- 生コン打設時のコンクリート温度は「35度以下」
- 暑さ対策を行って施工する
以上が主だった理由と注意点になっています
すこし余談ですが
ぼく個人的に、寒中コンと暑中コンのポイントは「予想される場合は~」の言葉にあると考えています
解説内容が施工計画的になるのですが、、、
この日平均気温を予想しようとすると過去の気象データが必要になります
気象庁HPの過去データをチェックしても大雑把な地域しか過去データが出てきません(=_=)
そこでぼくは、現場から一番近い生コンプラントから過去の気象データを貸与してもらって日平均気温を予想・計画していました(^^♪
ぼくの経験上、過去5年ほどのデータがあればほぼ予想できますね(^^♪
今後の参考になれば嬉しいです♪
おわりに
きょうは「生コン・品質管理の基本と実践」を解説してきました(^^♪
土木工事では必ずといっていいほど使用する生コンクリートの品質管理に焦点をあてて基本ばかり解説してきました!!!
いまから土木の世界で頑張っていく若手のかたや新たな世界で頑張っていこうとしている方の参考になれば嬉しいです(^^♪
また次回のブログでお会いしましょう!!!