はじめに
今回は
土木工事における
「図面の見方」
を解説していきます
土木工事には必須の
平面図、横断図、縦断図
の解説になります♪
実際の工事ではCADなどの
電子ベースだろうと紙ベースだろうと
図面がなければ工事ができませんよね?
そこで「図面」の基本的な見方と
応用を解説していきます
また工事を受注した時
上司や先輩から
「図面を見ておけよ」とか
「図面見てわからないところがあれば質問しろよ」とか
「できるのであれば施工図を書いてみろよ」
などの指導及び指示を
うけている技術者の方に向けて
お役に立てればなと考えて解説していきます!
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というかたお待ちしております^^
テーマは3つ
- 基本編_図面の見方読み方
- 応用編_図面の使い方
- 将来編_次のステップへ
以上を解説します
いやいやまってくださいよ
図面の見方って
今からは三次元の世界では?
なるほどっ!
よい質問ですね!!!
そこで、ぼくの回答ですがっ!
従来型の図面の見方なんて必要?
という考えもある程度
理解はできますが
従来の平面図・横断図・縦断図
の見方をマスターしておかないと
どんどん進んでいるICTを活用した
三次元データ及び三次元図面の理解に
今後苦しむと考えています(;´Д`)
なので今回
従来型の図面の理解を深めておいて
これからどんどん三次元図面を
活用していくようにしましょう!!!
基本編_図面の見方、読み方
全般
まず図面全般のお話からしますね
図面は、右下に
「縮尺」「図面名」「図面番号」
が記載されています
紙ベース図面の場合の縮尺は
「A1」サイズ(用紙サイズ)の大きさに対しての
縮尺が多数派となっています
また基本として現況地形等の情報は
すべての図面に記載されていますね
図面に書かれている記号は
- 「L」:延長、距離
- 「W」:幅
- 「H」:高さ
- 「N」:個数
- 「i」:勾配
以上の記号が主に使用されています
もしかすると発注者や地方ごとに
ルールが違う可能性はありますので
ご了承ください。
ちなみに↑の記号は
近畿地方整備局管内の例です^^
平面図
では平面図のお話からいきますね
そもそも
平面図とはなんぞや?
ですが
単純に現場を上から見た図面になります
サンプルはこちらです↓
今風に言うとドローンで
撮影した写真を図面にした
イメージですね
つまり現場を
俯瞰的な視野で書いた図面
ともいえますね
次に平面図に書いてあることですが
- 構造物の配置及び旗揚げ
- 施工する構造物の配置が一枚で確認できる
- 測点・延長・既設構造物など
- Rの要素やクロソイド曲線の情報
- 道路工事であれば縦断勾配
- 河川工事であれば河川区域、河川保全区域の明示
- 官民境界の明示
以上、主要な7つをあげましたが
これ以外の内容を書いてある図面もあります
ここで覚えておいてほしいことは
現場の主要な内容は平面図に書いてある
ってことです
図面をいろいろと見ていて
不明点が出た時は
平面図に戻ってくるって
イメージですね!
横断図
次に横断図のお話にいきましょう
そもそも
横断図とはなんぞや?
ですが
進行方向に対して
直角に輪切り・断面にした図面
になります!
言葉で説明しても意味不明なので
サンプルを見ていただく方が早いですね↓
横断図とは
車のドライバーさんや歩行者さん目線の図面
と言い替えても分かり易いかもしれませんね
横断図に書いてあることですが
- 各測点ごとに断面図がある
- CL(センター)からの距離、構造物の種類、構造物の幅、構造物同士の距離
- 計画高
- 法面の勾配
- 地層線(土砂・軟岩・中硬岩など)
- 道路工事であれば横断勾配
- 河川工事であれば河川区域、河川保全区域の明示
- 河川工事であれば定規断面の明示
- その測点でどのような構造物を施工するか
以上、主要な9つをあげましたが
これ以外の内容を書いてある図面もあります
ここで覚えておいてほしいことは
横断図に書いてある内容が一番イメージし易い
ってことです
いつも無意識に見ている風景に
近いからでしょうね!
縦断図
次に縦断図のお話にいきましょう!
そもそも
縦断図とはなんぞや?
ですが
CL(センター)を
起点に進行方向に輪切り・断面
になります
縦断図も言葉で説明すると
やっぱり意味不明なので
参考図をどうぞ↓
縦断図に書いてあることですが
- 縦断勾配とバーチカル
- 片勾配
- 計画高
- 盛土高・切土高
- 延長・距離(単距離・追加距離)
- Rの要素(単曲線・クロソイド曲線)
以上、主要な6つをあげましたが
これ以外の内容を書いてある図面もあります
ここで覚えておいてほしいことは
縦断図には計画高や勾配
Rの要素など現場の詳細データが
いっぱい書いてある
ってことです
現場をすすめていく上で
「数字」の根拠は
縦断図から引用する
ってイメージでOKです!
応用編_図面の使い方
頭の中で三次元データを作る
ここは個人的に一番重要です♪
平面図、横断図、縦断図
3つの図面を合体させるイメージで
自分の頭の中で妄想してみて下さい^^;
その結果、三次元になっている
って感じです!
この考えをもとに
ICT活用したものが
I-constructionで活用中の
図面の三次元データ化です!
現在、ICT土工やICT舗装など
色々なICTに活用されていますね!
これが自分の頭の中で
出来るようになると
図面上の矛盾点や弱点箇所が
把握できるようになります!
よく会社の
上司やベテランの技術者さんが「ここは危ないな」
と言う時があると思います
その時
頭の中では「三次元データ」
を作れています
いやいや
そんなこと
僕はできませんよ
経験が豊富だから
できるのではないですか?
すこし消極的な意見ですね(^_^;)
でも
ぼくの答えは「できます」です^^
方法としては
①頭の中で「平面図」を思い浮かべます
②平面図に「縦断図」を重ねます
③最後に「横断図」を重ねます
①のイメージは
何もない空間に「平面図」がポンッと
出てきた感じを思い浮かべてください
②のイメージは
①のイメージに追加して
平面図の道路CLの基準高の高低差を
思い浮かべてください
①及び②のイメージに追加して
横断方向(横方向)に
手が生えていく感じを
思い浮かべてください^_^
どうでしょうか?
まあ最初は難しいですね(笑)
イメージの完成形が
最初に見てもらった
イメージ図になります↓
でっですが!
これを毎日、繰り返してみて下さい
現場を毎日見続けていると
詳細まで把握できるようになるのと同じで
続けていくと
早い人では数日で頭の中で
イメージできるようになります
当たり前のことですが
若い人ほど習得が早いです(笑)
なので経験や知識ではなく
訓練と継続で可能ということを理解しましょう♪
将来編_次のステップへ
では最後のステップとして
「基本編_図面の見方読み方」
「応用編_図面の使い方」
この2つを理解して
身についた方へ
次のステップも少しですがお話します
このステップのテーマは
図面上で現場の「弱点」と
なり得る断面や構造を読み取る
です
では順番にいきましょう♪
①仮設工にて工事用道路はどうのようにつけるか?
この状況での弱点を
読み取っていきます
サンプルはこちらです↓
例えばこの↑
河川工事でよくある
「仮設坂路設置」です
ここでの弱点になりえる事は
- そもそも設計の位置でよいか?
- 設計で坂路がない場合、どこに設置すれば効率がよいか?
ここでのポイントは
当初設計にこだわらないです
柔軟な発想で
効率UPできる仮設を考えましょう
②土工_切土の際、重機をどのようにあげるか?
サンプルの現場はこちらです↓
少し大きめな切土工事の現場です。
ここで弱点になりえるのは
- 実際にどのようにして重機を一番上まで上げるのか?
- 安全に施工できるか?
- 縦断方向との兼ね合いはどうか?
ここでのポイントは
縦断的な発想を追加して
三次元的に考えるです!
ここでもやはり柔軟な発想が
必要になります!
③ブロック積の際、掘削面の養生はどうするか?
サンプルの現場はこちらです↓
次に結構な高さのある
ブロック積みを施工する場合です
ここでの弱点になりえる事は
ブロック積みよりも
掘削面の養生ですね
- 安全に施工できるか?
- 床付け後が一番危ない
- 掘削面の養生に対する方策を考える
掘削面の土質にもよりますが
H=5m程度を超えてくるのであれば
「仮設モルタル吹付け」
を協議する必要があると考えますね!
④地下水位が高い場合の床掘について対策は必要か?
地下水位が高い場合での
床掘についての
弱点となりえる事は
- 床堀時の湧水対策は?水中ポンプの能力は?
- 現場周辺の側溝へ排水できるか?
- 土留工との併用の際、ボイリング・ヒービング・盤ぶくれの懸念、対策は必要か?
上記↑のように
周囲への影響も含めての
対策が必要になってきますね
ここまでは
いくつかのサンプル例をあげて
簡単にお話しました♪
今回お話した辺りの内容は
上司や先輩は
もちろん対策をたてているはずです
今回のブログを
読んでくれている方の
次のステップは
サンプル例のような
図面を見た際は
すぐに対策をたてないとダメだっ!!!
という認識をもてるように
トレーニングを積んで言ってほしいですね!
おわりに
今回は
土木工事における「図面の見方」
をお話しました!
土木技術者としてきちんと
「図面を見れる」ようになることは
施工管理の必須スキルをです!
図面の見方、活用方法は他にも
いろいろかるかと思いますが
本質は自分の頭で思考して
概ねの内容を把握しておくってことです^^
人まかせにせず
自分の成長のために図面の見方を
マスターしてください!
ではまた次のブログでお会いしましょう!
ではでは