はじめに
今日は「土木工事でよく出てくる計算方法」を解説していきます^^
テーマは3つ
- 縦断曲線(バーチカルカーブ)の計算
- 水勾配の計算
- 法丁張の計算(水平距離・鉛直距離・斜距離)
建設会社に入った間もない若手の人が、
一番最初につまづき易いのが
今回解説する勾配(%)が絡んだ計算かと思います( ;∀;)
僕も昔そうでしたが、
慣れるまではめっちゃいやな計算ですよね
そのいやな思いを少しでも解消するために
このブログにて解説しますね
いやいや待ってくださいよ
今はパソコンと
いいソフトがあるのでね
その計算は
全部パソコンでしますよ
なるほど!
まぁそこで
ぼくの回答ですが
土木技術者としてパソコンなどで行っている計算の
理屈や理論・根拠を勉強して理解しておくことは非常に重要です
それを理解しておくと
いざ現場で手計算が必要になった時やトラブル時
すぐに対応できます!
またいま国交省が進めているICT化についても
機械内部でどんな計算をしているかを
理解しておくことが土木技術者として
重要と考えています
ではでは順番に解説していきますね!
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縦断曲線(バーチカルカーブ)の計算
まず縦断曲線(バーチカルカーブ)とはなんぞや?
ですが
主に道路工事で使用されています
特に車が走行する舗装面について
縦断勾配の変化点を滑らかに
擦り付けることで通行車両(主に車やバイク)の
スムーズな運行を促すために用いられていますね
バーチカルの計算式は、
↓次の概念図で表されますね
↑上のような概念図_考え方の
図を見たことがあると思います
ややこしいですが
考え方を理解することは重要なので
解説しますね
ここでは「y」の数値を算出していきます
まず最初
このバーチカルの計算を行うときに
必要な情報は縦断図に記載されています
縦断図のサンプルが↓こちら
この縦断図から読み取れる情報は
- バーチカルの区間(VCL):40.000m
- 2つの勾配(i1及びi2):4.995% と 1.001%
になります
その他に必要な数値は
スタート地点の基準高と
「y」地点のバーチカル前の
基準高になりますね
あとは例題を計算しながら
順に解説していきます
例題
まず例題図はこちら↓
まず最初に「y」地点の
バーチカル前の基準高を計算します
「y」地点のバーチカル前の
基準高は「120.423」となります
次に「y」を算出する公式は
「y」の公式に例題の数値を代入すると
算出した「y」よりFHを算出すると
答え「FH=120.394」になりますね
ここでの計算のポイントは勾配(%)を素直にそのまま代入するです
上り勾配であれば+。下り勾配であればー。%もそのまま。
あとはこの計算の繰り返しで
必要な距離(ここでは6.500)の
箇所を計算します
バーチカルカーブの深堀り解説
バーチカルカーブの深堀り解説は
バーチカル計算後に
現場で測量及び隅出しを行う時に
墨出し完了後、職人さんへ説明する前に
必ず「自分の目」で通りと
カーブが滑らかに繋がっているか
確認することです
計算が合っていても
まれに滑らかなカーブにならない時が
あるんですよね
バーチカルの条件にもよりますが
計算が「5mm」間違っていたとしても
カーブが滑らかになりません(;´Д`)
その際は再度計算チェックを行い
間違いがなければ先輩及び上司へ
報告指示を仰ぐようにしてくださいね!
僕個人的な見解は
「計算結果より滑らかなカーブを優先する」
です
いやいやまってくださいよ
そんなあかんでしょ!
計算どおりにするべきでは?
そうですね!
まぁそこで
ぼくの回答ですが
理由は
「通行車両(主に車とバイク)のスムーズな運行を促すために用いる」
からです
いくら計算が合っていても供用開始後に
車のドライバーが違和感なくスムーズに
運転できることが本質だからですね!
水勾配%の計算
次に「水勾配%」の計算にいきますね
主に排水工事(U字溝やロングUなど)や
下水道工事で使用しますね
「道路勾配」の計算も
今からお話する内容と同じですね
先ほどの「バーチカル前の基準高」の計算で
さらっと流しましたが
その計算が勾配の計算になります
排水工事を例題にしながら
解説していきますね
例題
まず例題図面がこちらです↓
この例題の「x」を算出します
スタートの基準高が「4.053」
「x」までの距離が「12.000」
勾配が「0.28%」 非常に緩い勾配
こんな条件で計算していきます
「x」の答えは、「4.020 」になります
高低差を算出して
その後に基準高から引き算する
順番ですね
水勾配計算の深堀解説
水勾配計算の深堀解説は
勾配の計算を行った際、必ずその先まで確認する
ですね
例えば↓
↑参考図の場合は、
下流側の基準高「3.997」と
整合性がとれているかまで確認する
今回でいうと
水勾配の計算の本質は
下流まできちんと水が流れること
その水の流れの整合性(辻褄)を
きっちりと合わすことが工事の目的なので
最後まできちんと整合させるってことになります
法丁張の計算(水平距離・鉛直距離・斜距離)
さいごは法丁張の計算(水平距離・鉛直距離・斜距離)の
解説をしますね
まずそもそも
法丁張とは?
ですが
主に道路工事や河川工事の土工で使用しますね
掘削時、重機オペレーターの
目印として設置する場合が多くて
掘削開始位置、法長(斜距離)、基準高などを
「木材」の測量杭や板を用いて設置することが
大半かと思います
では上記を踏まえて例題へいきます!
例題
道路改良工事を例題にして
掘削開始位置、斜距離を
算出していきます
↓横断図
↓展開図
↓構造図
まず最初に
横断図より構造物足元までの
距離を計算しますね
道路CLから構造物足元までの距離が
「L=10.500m」となりますね
次に展開図を確認し
今回測点の計画高を確認します
最初の展開図から計画高の確認して
横断図にプロットします
プロットした横断図↓
次に
最初の構造図から断面厚を
確認して↑の横断図へプロットします
次に
背面部に仮想の直角三角形を
つくり水平距離を算出します
ここちょっと難しいですね(;^ω^)
でも落ち着いて考えてみてください
簡単な関数なので絶対に大丈夫です^^
計算した水平距離は
法面勾配が「1:0.5」なので
「4082×0.5=2041」
になりますね
最後に斜距離(法長)を計算します
三平方の定理を使います(^^♪
法丁張の深堀り解説
法丁張の深堀り解説ですが
今回の例題は、1つの測点での計算方法でした
現場で法丁張を設置する際は
複数測点ですよね
複数設置後、必ず縦断方向で通りが通っているか「自分の目」で確認して下さい
現場は横断の位置も大事ですが、縦断の位置やつながりも非常に重要です
設計思想どおりに滑らかにつながっているかを「自分の目」で確認して下さい
おわりに
今回は、土木でよく出てくる計算を
解説してみました^^
建設会社に入ったばかりの人にとっては
聞きなれない言葉ばかりで
戸惑うこともあるかと思います
でも計算そのものは簡単ですので
落ち着いて計算するクセをつけて
スキルアップにつなげてもらえれば
うれしいです(^^♪
また次のブログでお会いしましょう!
ではでは