はじめに
このシリーズは今回で2回目ということで
1回目はこちら↓
このシリーズの目的は
新しい工事を受注したら
「若手技術者はまず何からすればよいのか?」
という視点で解説していきます!
まず視点と前提条件は
- 民間の建設会社に勤める
- 所長(上司)がいる若手技術者の視点
- 新たに公共土木工事を受注したばかり
という条件ですすめていきます!
土木工事の工程管理とは?
そもそも工程管理とは?
①:計画工程表【全体】
②:月間工程表【1ヶ月間】
③:週間工程表【1週間】
いやいやまってくださいよっ!
工程管理の解説いうたら
ネットワークとかバーチャートの
話とちゃいますの?
なるほどっ!
それもありますね!
でもね
そのような動画やブログは
ネット上にあふれているので
その解説を聞きたい人は
ググってそちらを読んでください^^;
今回は
「公共工事を受注したらどんな工程管理をするねんっ?」
に軸足をおいて解説します ♪
土木工事の工程管理とは?
そもそも工程管理とは?
結論ですが
発注者と契約した納期を遵守する
になります 理由は
約束した納期を守らなアカン
からになりますね
具体例をまじえながら解説すると
土木工事の基本は6つの管理があります
- 安全管理
- 品質管理
- 工程管理
- 労務管理
- 原価管理
- 顧客管理
現場で管理しなければならない管理のうち
安全管理の次に「工程管理」が
大事とぼくは考えています!
建設業は
お客さんからオーダーされた
「モノ」を現場で作っているので
やはり納期って大事やね
という理屈です^^
その納期を守るためには
どんな流れ・フロー・手順で
工事を進めていくのか?
それを見える化したモノが工程表
で
その工程表にそって現場をすすめていくため管理が
工程管理と
とらえてもらうとよいですね!
以上ここまで
そもそも工程管理とは?
について解説しました!
①:計画工程表【全体】
ここでもまず結論ですが
工事全体の進め方及び日数・進捗を把握
するものですね
理由は
俯瞰的に見える化が必要だから
になります♪
ここも具体例をまじえて解説すると
計画工程表とは
まず計画工程表とはから解説していきます!
まず計画工程表で最も使用する
「ネットワーク工程表」のお話です♪
これは
- 各工程のつながりの把握が容易
- 各工程の所要日数が把握
- 作成は難しい
このような特徴があります^^
このネットワーク工程表の
詳細については
このブログでは割愛しますので
もっと勉強したいって人は
ひげごろーさんの動画が↓
おすすめです^^
つぎに
「クリティカルパス」についてです♪
クリティカルパスの特徴は
- 最重要経路
- 複数ある工程・ルートの中で一番日数を要する工程
- クリティカルパスが遅れると進捗が遅れる
になります♪
つぎに
「バナナ曲線(工程管理曲線)」についてです♪
バナナ曲線の特徴は
- 請負金額をベースに作成
- 1ヶ月ごとに施工完了した工種の金額を請負金額で割り算して「%」で工事進捗の度合いを把握
- 計画に対して±10%
- -10%を下回ってしまうと工程の修正が必要
になりますね♪
ここで
計画工程表を少し掘り下げると
計画工程表というのは
各工程表の所要日数を積み上げた
ネットワーク工程表と
請負金額を積み上げた
バナナ曲線
この2つの視点からみています!
なので
ざっくり言うと
- 現場の実日数的な考察はネットワーク工程表
- 現場の進捗率的な考察はバナナ曲線
になります!
この部分を少し丁寧に解説すると
施工途中の日数と進捗率は一致しないことも十分にありえる
です!
たとえば
「クリティカルパスにある土工が進捗して日数は上がっているが請負単価が安いため進捗率があまり上がらない」
逆に
「現場終盤に施工予定の単価が高いAs舗装がまた未施工なので現場中盤までは進捗率が低いまま」
このような感じで
現場途中はまぁまぁ矛盾します^^;
しかし
計画工程表で大事なことは
日数と金額の2つの側面から
常に客観的にみつつ
現場管理に生かすことなので
いま解説したことを理解しておけば
技術者としては十分かと考えています!
計画工程表の作り方
①:休日及び準備期間を設定
現場全体の土日祝日を含めた
休日日数を確認する
例えば
1週間の稼働率は
土日の2日間が休日
「5/7」なので71%稼働
祝日やGWやお盆休暇などは
つど考慮
つぎに
過去天気から雨の割合を確認する
ですが例えば
6月は30日間のうち10日間雨天であれば1ヶ月間の稼働率は「20/30」で66%
雨天に関しては
休日もあるのであくまで目安ですね^^;
以上より
休日と雨天あわせた6月の稼働率は
「70%弱」程度に設定
という感じです♪
また
当初及び竣工時の準備期間
及び
長期休暇(GWやお盆・お正月)を
つど設定する
ですね♪
②:現場全体を俯瞰的にとらえてどの工種をどのような順序で施工するか決定する
この大きな順序・流れは現場所長や上司とよく相談して決定しましょう!
③:1つづつの工種について施工必要日数を算出する
ここで重要なのは
「歩掛上の日当たり施工量」
と
「自社歩掛から算出した日当たり施工量」
この2つを理解しておくが非常に重要です!
まず「歩掛上の日当たり施工量」
から解説すると
これは積算基準にあらかじめ
この施工をするのであれば
概ねの日当たり施工量は「◯◯m2」と
明示されています!
例えば
法面整形工であれば
この↑盛土部の法面整形にかかる
施工日数は「120m2/日」を根拠に
積み上げる
という感じですね^^
つぎに
「自社歩掛から算出した日当たり施工量」
の解説します!
さきほどの積算基準からの日当たり施工量
というものはどこまでいっても
標準的な数字なので
本当に現場に合致するのか?
今回の協力業者で可能か?
までは不明です^^;
そこで
今までの現場経験とデータを
生かしたものが自社歩掛というもの
になります!
例えば
標準は「120m2/日」だが
過去のデータを確認すると
「90m2/日」で可能
って感じです!
いやいやまってくださいよ!
そんな自社データは
ないですよっ!
なるほどっ!
そこで回答ですが
そんな場合は
仕方ないので
積算基準の日当たり施工量を
ベースに作成しましょう!
それと
今後の課題ですが
施工中は
次回以降の工事を踏まえて
ちゃんと自社歩掛のデータをとっていきましょう!
つぎに
実日数の算出例をみてもらうと
まず
法面整形が「A=1,000m2」
としましょう!
単純の実施工日数は
「 1,000m2/90m2 = 11.1日」
つぎに土日祝日と雨天を考慮すると
日数は
「 11.1日 / 70% = 15.8日」
計算上、「15.8日」とでましたが
ここで確認が必須っ!
いままでの経験を踏まえて
1,000m2施工するのに15.8日も本当に必要か?
と考えます
このあたりの仕事が
土木が経験工学
と言われる部分ですね
今回、ぼくであれば
15日あれば十分に施工可能と判断します!
大事なことは
工程表は
計算・過去のデータ・経験のハイブリッドで成り立っている
ということですね!
なので
作成する会社や技術者がかわると
内容が変化するってことを
覚えておいてください!
④:ネットワークの線でつなげていく
ここまでで
施工順序と施工日数が出たので
それぞれをつなげていきましょう!
ここの作業は
ネット上で沢山あるのでそちらをご覧ください^^;
⑤:バナナ曲線(工程管理曲線)をつくる
つぎに請負金額ベースの
バナナ曲線にいきます!
着工から竣工までを
1ヶ月末ごとに金額を集計していきます!
集計した金額を
請負金額で割戻して「%」にすると
これがバナナみたいな曲線になります^^
以上ここまでは
①:計画工程表【全体】
について解説しました!
②:月間工程表【1ヶ月間】
ここでの結論ですが
1か月間の進め方及び日数を把握
するですね!理由は
計画工程表だけでは俯瞰的すぎて詳細がわかりにくいから
具体例まじえてお話すると
まず月間工程表で使用する書き方は
「バーチャート工程表」
という書き方になります!
この書き方は
ネットワーク工程表とくらべて
わかりやすくて作成もかんたん
で
月間行事をもれなく記述しやすくなっています!
例えば
- 災害防止協議会・安全大会
- 店社安全パトロール
- 教育訓練
- 生コン打設や材料搬入予定
などなど
毎月必ずおこなう行事や
主要な工種は
必ず抜けなく記述しましょう!
以上ここまでは
②:月間工程表【1ヶ月間】
について解説しました!
③:週間工程表【1週間】
ここでも結論からですが
1週間の進め方及び日数を把握
するためで
理由は
月間工程表だけでは調整しきれない日々の工程調整
だからになります!
具体例をまじえて解説すると
週間工程表の書き方は月間と同様に
「バーチャート工程表」が基本ですね♪
理由は単純に描きやすいからですね^^
この週間工程表には
- 生コン打設等の主要な予定及び詳細な工程
- 段階確認及び立会等の予定とアポ
- 現道上の工事では発注者への報告・連絡
上記のような内容を抜けなく記述しましょう!
以上ここまでは
③:週間工程表【1週間】
について解説しました!
おわりに
今日は
工事受注したら若手技術者が
すぐにすることというテーマの
「工程管理」で解説しました!
工事受注後は
これ以外にもたくさんやる事がありますよね^^;
しかも若手時代の
工程管理はまぁまぁムズいです^^;
ですが慌てずに
できることから順番に作成し
現場をすすめるようにしていきましょう!
ではまた次回のブログでお会いしましょう!
ではでは