はじめに
土木工事もいろんな種類がありますよね^^
道路工事、砂防工事、河川工事、上下水道工事、海岸工事、港湾工事、舗装工事などなど
その中から「道路工事、砂防工事」の2つに絞って
工事別の概要と工事監理ポイントをジョウ所長視点で解説します
- 工事別の概要
- 工事別の工事監理ポイントを深堀り
いやいや待ってくださいよ
テーマが大きすぎませんか?
もうちょっと細かなテーマの方がよいのでは?
そこでジョウ所長的な意見は
工事を監理する上で重要なことは「俯瞰的な視野をもちながら監理する」です
工事の大まかな概念や理論を理解することは、詳細な監理をしていくうえで不可欠です
このブログで「道路工事」と「砂防工事」の2つですが
大まかな概念や工事監理ポイントを解説していきます
俯瞰的な視野を勉強するのに活用してください
工事別の概要
道路工事
そもそも道路工事とはですが
ですね
そのままですね^^
道路工事は大きくわけて2種類にわかれます
公道上で工事を施工する「現道上の工事」か「それ以外」か
もっと他にもあるのでは?
もちろん
細分化すると高速道路などの道路工事もありますが
今日は一般的な「現道上の工事」と「それ以外」の2種類を解説しますね
↓現道上の工事例
↓それ以外の道路工事例
砂防工事
次に砂防工事とはですが
といいます
砂防工事といってもいろいろありますね
主な工事は「砂防堰堤」「法面保護工及び山腹工」などなどですが
今回は砂防工事でも一番主要な工事ともいえる砂防堰堤工事を解説しますね
というか
そもそも
砂防堰堤って
どんなモノですか?
砂防堰堤の意味は
- 山間の渓流部につくる土砂を止めるためのダム
という構造物になります
主な材料はコンクリートですが
最近、新技術でコンクリート以外の材料で「土砂」の堰堤もありますね
このような構造物をつくる土木工事なので
当然、現場は山奥になる場合が多いですね( ;∀;)
山の中の工事ならではのポイントや苦労もありますね
工事別の工事監理ポイントを深堀り
道路工事
では道路工事の工事監理ポイントを深堀っていきますね
- 安全・品質・工程・労務・原価・顧客
以上の6つの管理・視点にわけて解説していきます
安全
安全の工事監理ポイントは
施工場所周辺の学校及びバス路線等
- 特に小学校、中学校の通学路及び通学時間を確認する
- バス路線のルート確認、特に道路規制する場合は必須です
このポイントについての対策例は
- 着手前に小学校、中学校ごと個別訪問、工事概要説明と工事への協力を要請する
- 着手前にバス会社へ訪問、工事概要説明と工事への協力を要請する
- 道路規制をする場合は、規制図(案)を持参しバス会社の意見をヒアリングする
- 学校及びバス会社ともに意見ヒアリング、要望を聞き対策可能な範囲は対策する
構造物を施工する場合
- 安衛法のルールに基づいて労働基準監督署へ足場及び支保工の計算書等を提出する
このポイントについての対策例は
足場及び支保工の構造計算を外注で行うことはOK
しかし外注の計算結果を決して鵜呑みにしないこと
自分なりに再計算、自分の思考と言葉で労働基準監督署へ書類を提出し説明できるようにする
以上が安全の工事監理ポイントですね
品質
品質の工事監理ポイントは
生コン車などの待機場所及び作業ヤードの確保
- 都市近郊での工事は、生コン車やダンプトラックの待機場所の確保が困難な場合が多いです
このポイントについての対策例は
- 現場から少し離れた場所になってもある程度、自由に待機や作業準備(型枠や鉄筋の加工等)ができる場所を確保する
- 特に生コン車の待機場所は、重要です。想定以上の時間ロスはコールドジョイントを誘発します
構造物を施工する場合
- 重要構造物(橋台工やボックスカルバート等)はひび割れ対策のため温度応力解析を行う
- 生コン打設割付や詳細の打設方法を計画する
このポイントについての対策例は
- 温度応力解析は
工事前に詳細設計で解析を行っている場合は稀にありますね
でもほとんどの場合、施工業者が解析をすることになりますね。
これは打設時期、季節によって気温変化が大きいため季節を限定しないと正しい温度応力解析ができないためです。
温度応力解析は、費用も高額である程度の時間も必要なため、着手後すぐに発注者と協議することをお勧めします
- 次に生コン打設割付ですが
橋台工やボックスカルバートで高さが5m程度より高い場合は打継が必要になってきます
打継高及び場所は温度応力解析結果と整合性をとるようにしてください
また打設方法は高周波振動機をいれる間隔や位置、深さを事前に計画することでジャンカ、マメ板を防止しましょう
工程
工程の工事監理ポイントは
- 道路工事は、工種が多く複雑な工事が多い
このポイントについての対策例は
- 工程表は必ずネットワークで作成する
ネットワーク工程表上に工種ごとの関連性を見える化することが大事です
土木は自然が相手なので工程は遅れてしまう場合が多いので意識して工程表を活用して関連性を見える化しましょう
労務
労務の工事監理ポイントは
- 構造物築造の場合は、協力業者さん及び職人さんの確保が必要になります
このポイントについての対策例は
今まで付き合いがある業者さん、職人さんであっても人材不足に陥っている場合が大きいですね
早め早めの工程打合せと見積徴収をおこない職人さんの手配をしておくことが大事になってきます
原価
原価の工事監理ポイントは
- 道路工事は、工種が多く複雑な工事が多いですね
複雑な工事であればあるほど利益が出にくい傾向、少ない工種で数量が多いほど利益が出やすい傾向
理由は単純に同じことを繰り返すほうがサイクルタイムが向上するからですね
このポイントについての対策例は
利益を出していくためには実行予算の作成が必須になってきます
そこで実行予算作成時は、工種及び施工時期ごとに細分化、ようは細かく予算を作成していきましょう
細分化することで材料ロスを減らして、施工時間の短縮の工夫を図っていきましょう
つぎに残土処分についてですが
- 残土処分場によっては粘性土や岩などは受け入れてくれない場合があります
このポイントについての対策例は
着手前に現場の土質(例:粘性土)が残土処分場が受け入れ可能か確認してください
掘削前で目視確認できない場合は、発注者がもっている地質ボーリングデータを貸与してもらい判断するようにしましょう
受け入れが不可の場合は、別の処分場を探す必要がありますが
処分費及び運搬距離等の費用問題が発生するので早急に発注者と協議してください
顧客
原価の工事監理ポイントは
工事に対して地元の対応はどうか?
- 事業によりけりですが工事に反対意見の現場が多いような気がします(-_-;)
このポイントについての対策例は
発注者の意見もとりいれつつ地元説明会を開催しましょう
大事なのは地元説明会のあとです
ほとんどの場合、反対意見の人は全体の数%と想定されます
その人と積極的にお話するのは受注者としてもストレス大ですが
地元説明会のあとは、反対意見数%の人と積極的に会って受注者として工事の必要性と工事をスムーズに施工していきたいという誠意を見える化していくことが非常に大事と考えています
砂防工事
つぎに砂防工事・砂防堰堤の工事監理ポイントを深堀っていきます
安全
安全の工事監理ポイントは
現状渓流の確認、作業中の安全確保
砂防工事をおこなうほどの危険な場所ということですね
施工中に土石流が発生する可能性も十分にありえるということになりますね
このポイントについての対策例は
- 雨量計を設置して現状の雨量を把握する
- 現場上流部にセンサー等を設置、施工中も常に上流側の状況(土石流等)を把握する
- 現場職員、職人さん全員で定期的に土石流発生を想定した避難訓練をする
品質
品質の工事監理ポイントは
- 砂防堰堤の工事箇所は、山間部なので現場の気象条件が厳しい箇所が多い。特に冬は厳しい環境。
このポイントについての対策例は
冬の対策として
寒中コンクリート対策は、市街地での工事よりもう一歩掘り下げてください
例えば
「ジェットヒータ+保温材+〇〇」など
複数対策を重ねることでリスクヘッジしてください
コンクリートを必ず凍結から守る工夫が必須です
生コン_練混ぜから打設完了までの時間
- 砂防堰堤工事箇所は、山間部なので生コンプラントから現場まで時間を要することが多い
このポイントについての対策例は
通常外気温が25度以下の場合、練り混ぜ開始から打設完了まで2時間以内というルールがありますが
運搬中のロスや打設中のロス(特に索道で打設する場合)を考慮して1.5時間以内で計画して施工しましょう
また事前に生コンプラントと直接会って打合せを行ってください
各プラントごと特性や癖を把握するのです
プラントの配車の仕方や昼休憩の取り方及びタイミングを事前に確認することで打ち重ね時間を監理しコールドジョイントを防ぐのです
工程
工程の工事監理ポイントは
打設割付(リフト割付)
砂防堰堤工事の工程は、リフト割付で決まるといってよいです
もちろん天候も関係してきますが
全体のリフト割付を決めてしまうと最終の打設完了がそれより前倒しになることはありません
理由は、砂防堰堤の規格基準で上部への打継については
養生期間は〇〇日間設けることと決まっているからです
それより早く上部へ打継ことはできないため
結果として工程が固定されてしまいます
このポイントについての対策例は
工程に遅れが発生または発生しそうな時ですが
残存型枠を目地材として利用することで打設回数を減らして工程短縮しましょう
残存型枠については僕が使用した経験のあるメーカーのURLを↓にはっておきます^^
この案のリスクは、別途残存型枠材料費がかかるので材料費も含めて発注者と要協議ですね
労務
労務の工事監理ポイントは
協力業者さん、職人さんの確保につきますね
砂防堰堤工事、山の工事は職人技の連続です
ここでも近年の人材不足の影響が出ています
特にベテラン職人さんは高齢の方が多いですね
このポイントについての対策例は
ベテラン職人さんは極力体を使わないような段取りと工程を組んで負担軽減をしましょう
ベテラン職人さんの体調を考慮しつつ、経験を技を言葉と作業で学び継承しつつ現場をすすめるていきましょう
原価
原価の工事監理ポイントは
実行予算はリフト割付で決まります
砂防堰堤の利益が出るか否かは
さきほどのリフト割付及びそのとおりに施工進捗できるかで決まってきます
材料費が大きく変化することは稀なので、工程遅れからの人件費のくいこみが実行予算を圧迫するのです
このポイントについての対策例は
当初に決めた工程を遅らせないようにすることが利益確保につながります
砂防工事全般に言えることですが、人が主体となって工事をすすめる作業が多いですよね
そのため工程の遅れは原価に直接影響が出やすい傾向です
柔軟な発想をもちながら意地でも工程をまもる
顧客
原価の工事監理ポイントは
最大の顧客満足は出来ばえの良いひび割れが無い堰堤を築造することですね
このポイントについての対策例は
施工計画どおりの生コン打設、特に養生・寒中コンクリート対策と履行が大事ですね
天候及び気候を考慮した柔軟な対応ときちんと記録(写真及びデータ等)に残しておくことを心がけましょう
さいごに
今日は「工事別のポイント」を解説してきました
かなり長い内容でしたね(ーー;)
長くなると思ったので、道路工事、砂防工事の2つに絞ったのですがね・・・
本当はまだまだ解説したい内容があります・・・
ご要望があれば前向きにコンテンツをつくっていきますので「お問い合わせフォーム」、ツイッタから連絡いただければ嬉しいです
ではでは