はじめに
土木工事の
盛土や路盤工でよくおこなう品質管理の試験
落ち着いて考えると
そんなに難しい理論ではありませんが
若手の方にとっては
イメージしにくいかもしれません
今日は理論と考え方を
噛み砕いて解説していきます
テーマは2つ
- 現場密度試験
- 実際の現場での管理方法
でもね今からは
ICT活用したICT土工が
メインになるので
現場密度試験は
なくなるのでは?
そんなことないですよ^^
ICT土工であっても
最初の試験施工において
現場密度試験をしないと
面管理の根拠がでませんよ
そもそも土木技術者の基本スキルとして
現場密度試験を学んでおくことは重要です
幅広い知識を学んでいく姿勢が重要ですね
現場密度試験とは
そもそも現場密度試験って何?
そもそも
現場密度試験って
何の試験ですか?
土砂や砕石が現場で
どの程度締め固まっているかを
「%」割合であらわしたものになります
この考えが現場密度試験になります
どの工種で試験するの?
どの工種で試験するの?
主に土工ー盛土、舗装工ー路盤工
この2工種が多いですね
試験の流れ
試験の流れ
かんたんにまとめてみました
- 現場で使用する材料(盛土材、路盤材)を決める
- 材料(盛土材、路盤材)の室内試験を行う
- 最大乾燥密度(g/m3)と最適含水比(%)を算出する
- 試験を行った材料を使って施工する
- 施工後に現場密度試験を行う
いやいや待ってくださいよ
この室内試験とか
最大乾燥密度?
最適含水比?
これってなんですか???
いきなり意味不明な
ワードが出てきて
ビックリしますよね(^_^;)
順番に説明していきますね
まず室内試験
まず室内試験です
この試験は
現場で使用する材料を
事前に調査してデータをとる試験です
施工後は
この事前データと比較して
OK or NG を判断します
サンプルの室内試験結果はこちらですね↓
つぎに最大乾燥密度(g/cm2) と最適含水費(%)
この意味不明なワードを
意味を簡単に言ってしまうと
使用する材料が一番ギュッと締め固まる時の
水分量と締固まり具合を数値にしたものです
材料視点で
一番条件のよい室内で試験したら
こんな数字になりましたってイメージです
ここでの結果は
最適含水比が「6.7%」
最大乾燥密度が「2.197g/cm3」
あとで解説しますが
現場密度試験は
この室内試験結果の数値と比較して
〇〇%以上なのでOK
という判定になるので超重要な試験ですね!
以上が現場密度試験の流れになります
実際の現場での管理方法
現場試験の方法
現場試験方法としては主にこの2つです
砂置換法
RI法
現場試験の方法はいろいろとあるのですが
今回は
基本スキル向上を目指して
「砂置換法」を解説します
まず結論から
「砂置換法」
をするとどんな結果が出てくるのか
試験結果のサンプルがこちら↓
この試験結果から
平均締固め度が「93.2%」という数値が
得られていますね
ではこの締固め度を算出していく試験根拠は↓
- 試験前の容器+砂重量を測定する目的:試験前の全体重量を把握する
- 試験位置に器具をセットして試験孔を掘る目的:密度を測定する場所の土をとる
- 容器をセットして砂を試験孔へ投入する目的:砂を投入することで「土」と「砂」を比較可能にする
- 試験完了
- 試験完了後に容器+砂重量を再測定する目的:試験後の全体重量を把握する
- 試験孔から堀り起こした「土」の重量を測定する目的:「土」のみの重量を把握する
- ここから室内:持ち帰った「土」を乾燥させ重量を測定する目的:「土」の水分を抜いた重量を把握する
- 試験で得たデータをもとに数字を計算及びとりまとめて締固め度を算出する
以上の手順で試験した結果の締固め度が
「93.2%」
この結果から
最初の室内試験結果と比較すると
93.2%の割合で
締め固まっていることが把握できます
室内試験の最大乾燥密度(g/cm3) 2.197
現場試験での最大乾燥密度(g/cm3) 2.047 【2.018・2.062・2.062の平均】
以上より締固め度が93.2%
以上になりますね
いやいや待ってくださいよ
なんで同じ試験を
3回もしてるの?
砂置換法では
精度のバラツキを
補正する意味で
「3回」測定すると
決まっています
試験する頻度、タイミングと規格値
試験する頻度
タイミングと規格値は
どうなっていますか?
発注者の施工管理基準によって
若干異なりますが国交省の基準を例にすると
盛土は
頻度・タイミングは
路体盛土の場合は1,000m3に1回
路床盛土の場合は500m3に1回の
現場密度試験が必要ですね
規格値は
路体の場合は
室内試験結果の最大乾燥密度の「90%以上」
であれば合格
路床の場合は
室内試験結果の最大乾燥密度の「95%以上」
であれば合格
となっています
舗装は
頻度・タイミングは
下層路盤の場合は10,000m2に1ロット
1ロットが10孔必要ですね
規格値は
下層路盤の場合は室内試験結果の
最大乾燥密度の「93%以上」であれば合格
となっています
さいごに
今日は、現場密度試験を解説しました!
試験内容そのものは難しいものではありませんが
若手の方にとってはイメージしにくいとこが
あるかもしれませんね
このブログを活用してもらって
落ち着いて思考してもらえれば
充分に理解できますので
スキルアップにつなげてもらえればうれしいです
ではまた次回ブログでお会いしましょう!
ではでは