はじめに
今回は
土木工事の管理で必須の
出来形管理・品質管理・写真管理を
若手・初心者の人にも
わかりやすく解説していきます♪
題材は
公共事業をメインにして
施工計画立案時の設定でいきます^^
共通仕様書・施工管理基準に書かれている
工事点数アップ、90点以上を目指すのであれば
ここが基本になってきますので解説していきます
また最後の章で
YouTube版では解説していなかった
【もう1段の深堀り】
を追加してますので
最後まで読んでみてください^^
いやいやまってくださいよ
仕様書に書いてあるのであれば
そのままでよいのでは?
現場では
他にもやらなあかんことで
いっぱいですわっ!
なるほどっ!
そこでぼくの回答ですがっ
仕様書に書いてあるままであれば
平均点になりますね(^_^;)
また
工事の根幹は出来形・品質・写真の管理
です
工事点数をアップ
80点や90点を獲りにいく
姿勢と対策が大事です
また高得点取得は
現在の総合評価入札方式において
次回工事落札のためには必須です!!!
主な内容を抜粋して解説していきますので
個人の土木技術者としての
スキルアップと評価アップに
つなげるため勉強していきましょう^^
出来形・品質・写真管理内容を自分の中で理解する
まず基本の考え方ですが
なぜ「出来形・品質・写真」管理
が必要なのか?
を考えましょう
公共事業・土木構造物のクオリティーを
確保するために必要ですね
また別の視点として
社内目標値というものもあります
これは
概ね「規格値の80%」が多数派ですね
例外としては
As舗装工等の最初から規格値が厳しいところは
社内目標値は変更なしで
設定することが多いですね♪
出来形管理
では出来形管理からいきます♪
まず出来形としては
規格値をクリアしていればよいとされています
しかし
出来映えまで踏まえると規
格値だけではNGになります!
ポイントは
構造物の「通リ」や「端部処理」
真っ直ぐな箇所は真っ直ぐに
Rの箇所は曲率が一定のRにするです
また
天端の「面木」、目地部分など、規格値に表れない
「出来映え」ようは「パッと見」もかなり重要です
特に中間検査、竣工検査は
この「出来映え」の比重が
重くなる傾向があります
社内規格値を達成するための
具体的な方法は後述します
品質管理
つぎに品質管理にいきます
ここはいくつかに分けて解説します
コンクリート工
コンクリートも色々とありますが
土木工事においては
下記の3つが最重要になります
寒中コンクリート
寒中コンクリートとは冬季の生コン打設及び養生対策。日平均気温が4℃以下になると予想されるときに対策が必須。
暑中コンクリート
暑中コンクリートとは夏季の生コン打設及び養生対策。日平均気温が25℃以上になると予想されるときに対策が必須。
マスコンクリート
マスコンクリートとは断面の下端が拘束された壁で厚み50cm以上、広がりのあるスラブ、厚み80~100cm以上の場合はマスコンクリートとして対策。また水和熱に起因した温度ひび割れが懸念される場合もマスコンクリートとして対策が必須。
いやいや
まってくださいよ!
マスコンクリートって
なんですか?
水和熱、温度ひび割れ、聞いたことない言葉が出てきましたね
まずコンクリートの性質として、セメントと水が混じると熱を発生します、これが水和熱といいます。
簡単に言ってしまうと、この水和熱が上がり過ぎないように工夫、コントロールするがマスコンクリートには求められます。
例えば、寒い時期は保温。暑い時期は生コン温度を下げるなどがあります。
特に温度管理については、
事前調査をおこない着手前に施工箇所での過去気温推移をチェックし把握
施工当日の日平均気温を予想しておく必要があります
それをしないと日平均気温が4度以下になると予想とかできないですからね
つまり天気予報と自分の調査結果の2段構えで用意するってことです
また施工当日の外気温と生コン温度の記録も大事です。
土工
次、土工はサラッといきます
土工のうち盛土について、締固め密度試験の「頻度と回数」が重要になります
舗装工
次、品質管理の頻度と回数ですが
As合材の温度管理、乳剤の散布試験、平坦性試験などが重要になります
法面工
鉄筋挿入等のアンカー系の工種は、注入材(例:グラウト)の現場配合が基本なので品質が不安定になる傾向があります。
通常の生コン(JIS)以上の品質管理、圧縮強度の確認が必須です
写真管理
次に写真管理です
撮影方向の基本は真正面からです
しかし、多方向からも撮影です
特に「配筋検測」は鉄筋が折り重なっているため、撮影したい鉄筋が見えないって場合が多いです。
なので多方向からの撮影は必須ですね
また配筋検測以外の写真もすべてですが、スケール等の目盛りが目視できるように撮影しましょう
僕なら更にこうする!
つぎに「出来形・品質・写真」をもう少し掘り下げていきますね
特に「仕様書・施工管理基準」記載内容を重点的にいきます
この目的は、評価up!工事点数up!のためです
出来形管理
規格値の50%を意識する
つまり測定値の「ばらつき」を意識しつつ施工するって意味です
規格値内であればOKではなく、規格値内でもさらなる精度upを求めていきます
このばらつきを表したものが「工程能力図」になります
この工程能力図に、描く波形について
50%以内能力図の波形を意識しつつ管理します
この上↑の結果は、工事点数の出来形と品質の項目に大きく影響されます
そこで現実的は対策をたてる必要がありますね
その対策は、発注担当者や検査官が聞いても納得できる内容でないとダメです
「本当にできそうだな」と思わせる必要があります
サンプルとしての対策は、:社内検査を適時(複数回)おこなう です
特に重要構造物及び工事費が高額な工種は必須ですね
いやいや
まってくださいよ!
こんな細かいこと
できませんよっ!
まぁその気持も理解できます^^
しかし高得点を叩き出すには必要なんですね
また他社はすでに実践済みのところが多いとしたらどう考えます?
今の時代は、仕様書に記載事項のプラスαが重要と考えています
他社との差別化で工事点数up!が基本です
どうしても人材不足の場合は、要所要所で本社等に応援要請してでも対応する必要があります
品質管理
次に品質管理についての僕の視点は、
コンクリート工
生コンの運搬時間
- 練り混ぜ開始から打設終了まで:外気温が25℃超える 1.5時間以内。外気温が25℃以下 2.0時間以内。
- コールドジョイントを防ぐ:打ち重ね時間の管理。外気温が25℃超える 2.0時間以内。外気温が25℃以下 2.5時間以内。
上↑の内容を、見える化すると効果的です
また上↑の内容を施工計画書に記載して
後に検査官が状況把握できる写真撮影をする計画を立案します
このときのポイントは、「客観的な数字を見せながら写真を撮影」です
例えば、時間管理を撮影する場合は、スマホ等のストップウォッチ機能を活用するとOK!ですね
具体的な生コン打設方法
生コン打設について、具体的な方法を立案していきます
まず振動機のピッチ@を記載しましょう
第三者にわかるように縦×横のピッチ@が50cmになるような具体的な方法を記載しましょう
また使用する振動機に目印(テープでマーキングなど)をつけると写真で把握できるようになりますね
型枠脱型の強度
次に型枠を脱型する時の基準のお話です
型枠は、圧縮強度が設計基準強度に達するまで解体してはいけないのではありません。
この強度まで発生したら型枠は解体してよいとなっています。
その基準は下記のコンクリート標準示方書に記載されています
コンクリート標準示方書【施工編】2017年制定より
上↑の強度が発生しているかを確認するため、生コン打設時に別途供試体採取します。
その供試体を「現場空中」で養生します。標準養生にしない理由は、現場のコンクリートと同じ条件にするためです。
この内容を、施工計画書に記載し、状況把握できる写真撮影計画を立案します。
その他_材料の維持管理
現場に搬入した材料の維持管理についてですが、
現場に搬入して外気に触れたままでは腐食して材料の品質が確保できなくなりますよね
そこで材料を外気に触れさせないようにするために「リン木とシートを用いて養生」します
この内容を、施工計画書に記載し、状況把握できる写真撮影計画を立案します。
写真管理
次に写真管理についての僕の視点は、
「重要写真は監理技術者が写真に入る」です
写真撮影時、監理技術者の顔が写真で確認できること
発注者に対して重要なポイントは監理技術者で適時確認していることが重要です
今はコロナの関係で常時マスクをしているので撮影しにくいかとと思いますが
なんとか写真で監理技術者さんの顔を確認できるように意識して撮影しましょう
もう1段の深堀り
ここからは今回のブログ用に追加した内容なっています
もう1段深堀りでみなさんへお伝えしたい内容は2つあります
- 社内規格値
- 過積載対策
この記事を書いている令和3年度現在において
この2つの取り組み方について中間検査や竣工検査で質問が多いと認識しています
そこでジョウ所長なりの解決策を記事にしてみたいと思います
社内規格値を達成するための具体的とは
まず社内規格値を達成するためにおこなう具体的な方法は
4つに分解して検討し施工計画書に記載します。
大事なことは、現実的であることです
検査官から見たときに机上の空論やなと思われないことが大切です
道路工事の施工計画書をサンプルにしてみると
- 目的:築造物の精度を向上させることで公共工事の良好な品質確保につなげる。
- 設定の根拠:原則として所定規格値の「80%」の値を社内管理目標値とします。根拠は、現在までの経験上において現場の創意工夫で実現可能な数値かつ精度向上を達成したと報告できる数値を設定しました。
- 達成のための方法:測量及び丁張設置時は2回以上の測量を行います。また躯体型枠施工時も同様に2回以上のチェック確認を行います。また主要測点は社内検査(検査員:正○○氏。副△△氏)を実施します。社内検査のタイミングは、主要構造物(函渠工、橋台工)の型枠組立完了時に行います。その他の工種については適時行います。
- 出来なかった時の対応:原因を掘り下げ検証し究明します。原因が判明すれば、その対策を検討し策を講じます。原因究明のプロセス及び達成できなかった箇所の対応は、監督員へ報告し後に協議します。
以上になります
いろいろな考え方や方法がありますが、現在のところ上↑の書き方がベストと考えています。
過積載の対策
次に過積載の対策です
前提としてなぜ過積載の対策が必要か?
ですが、道路交通法に公道を走行する車両は総重量が「20t」までと記載されているからです
その条件で工事現場で使用する車両に合致するのは「10tダンプトラック」になります。
その他、クレーン等のありますが、今回は10tダンプトラックを主にして掘り下げます
ではどのように対策するか?
ポイントは「自重計」です
道路工事の施工計画書をサンプルにしてみると
ダンプトラックの自重計を利用及び確認
ダンプトラックには、下記の「自重計」が備え付けれています。土砂及び殻積込時に「自重計の数値」を確認し過積載防止とします。日々の管理において上記のa)及びb)の管理と整合性を確認していき精度を高めることで過積載防止の精度も高めます。
いろいろな方法があります
簡易自重計を利用するのも方法です。
しかし経済性や汎用性を踏まえると僕は、自重計を存分に利用することがベストと考えます。
おわりに
工事点数アップ、90点以上を目指しながらの出来形管理・品質管理・写真管理を解説してきました
この3つの管理は、施工管理の基本中の基本になります
まずこの基本を抑えつつスキルアップしていくお手伝いができれば嬉しいです
また次回も若手や中堅の土木技術者の方へ有益な記事をアップしていきます
今後も読んでいただければ嬉しいです
ではまた次回のブログでお会いしましょう!
ではでは